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エッセイ

Vol.26 〜沖縄から世界へ向けて〜 「医療・科学技術の発信を沖縄から」

 沖縄県は東西1000キロ、南北400キロにわたり大小160の島々を有し、温暖な気候、豊富な自然、独特の文化が日本のみならず世界各国からの訪問者にとって非常に魅力的である。沖縄県庁のホームページの海外向けの観光案内に前述のようなことが書かれている。沖縄県にはサンゴ礁に囲まれ色とりどりの魚や海の生物を有するとても美しい海があり、西表ややんばるに代表されるような素晴らしい自然がある。伝統的な琉球料理や泡盛、音楽や舞踊、空手など世界でも類を見ない、世界一のものが沖縄にはたくさんあり、沖縄県民であることにとても誇りに感じている。

 さて、医学・科学技術の分野に目を向けてみる。沖縄県の医療水準は他県と比較しても決して劣るものではない。しかし沖縄の大自然や伝統芸能のように沖縄県の医療ははたして世界のトップなのであろうか。沖縄県でどのような医学研究がなされ、どれくらいの英文論文が世界に発信されているのであろうか。10年間の琉球大学医学部の論文数を見てみると年平均150-160本の論文が発表されているが、琉球大学医学部の研究者一人当たり1年間に1論文も発表されていない計算になる。これでは世界どころか日本本土に対しても太刀打ちできない状況である。琉球大学のみならず、沖縄県が一丸となって質の高い医学研究を行い、成果を論文化するということを推進していく必要がある。

 先日世界の乳癌の専門家約10000人が集まる国際学会に出席してきた。おおよそこのような国際学会で日本人が質問に立つことはないのだが、世界的に有名なドイツの先生の発表内容があまりに腑に落ちなかったので、意を決して質問に立ってみた。一般的に質問者は質問の際に自分の名前とどこの国の出身であるということを述べて質問に入るのだが、当方は迷わずTamaki from Okinawaと沖縄を強調させて頂いた。セッションの後、世界の色々な先生方から「沖縄知ってるよ」と言われたが、今後は医学の分野でもOkinawaが有名になっていけたらと思った次第であった。

 沖縄に山中教授のような人がいてもいいのではないだろうか。琉球大学がハーバード大学のような世界の一流の大学となってもいいのではないだろうか。2013年、沖縄県の医学研究元年として当方も微力ながら力を注げることができたら嬉しい限りである。

玉城 研太朗

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