こわい写真を見てしまった。

　十和田湖畔の乙女の像の前で、私に向かって「にっこり微笑む“おとめ”6人？」子育ての終わったおとめ達の“修学旅行”の写真である。

　このおとめ達、月1回　某ホテルのバイキングの前にたむろする。おとめ達の群れに近付くのは大変危険である。1ヶ月のストレスを解消すると称して、バイキングにみならい2～3日分の食料を１回で調達していくのである。

　そのくせ「なぜ更年期になると、食べないでも太るのかね」「ほんと！毎年洋服を買わなければいけないから大変よ」

　クリニックの外来でも「この前の血液検査で中性脂肪があがっていますよ。ともだち同士でバイキングにいったでしょう」「わたしはバイキングが嫌いだけど、食べ物を残すのができないから大変なんです」「むかしは食べ物が少なかったが、最近はたくさんありますから、目をつぶってください。いつでも食べれますよ」

　世のおとめ達の関心事は“コレステロール、中性脂肪、体脂肪、肝脂肪”である。原因は１つ『食べ過ぎ』

　先日、我が家の“おとめ”とともに人間ドックに入った。わたしの中性脂肪もコレステロールもすべて正常であった。異常のあった“おとめ”いわく「あんたが太っているのに、なんで正常なの」・・・・無言で「わたしはあなたのために一生懸命働いて、よく動いているのだ」

　おとめ達はホテルの迷惑を省みず3時間も4時間もたむろしているらしい。小学校の卒業式のある日、入り口には長い長い行列ができているとも知らず、いつものごとく、えんえんと居座っている。ついに勇気を出したホテルのマネージャー 「Tさん、今日はとても混雑しておりますので、ロビーのラウンジに移動お願いできないでしょうか」と言われ、無料こ～ひ～券をちゃっかり頂戴したらしい。

　Tさん、ご主人に恥ずかしい思いをさせないでください。

（2002年10月8日 掲載）

那覇西クリニック理事長
玉城　信光